関西旅行 京都 何有荘庭園

三日目の京都は雨。地下鉄東西線蹴上駅で降りて南禅寺へ抜ける小道を歩いていると金地院の手前あたりで「100年ぶりに庭園公開」なる胡散臭い看板が目にとまる。いったんは通り過ぎたものの、気になるので引き返して入ってみたら「大当たり」。天気のせいもあるのかもしれないが、たいそう風情のある庭園だった。高台にある草庵からは雨に煙る東山が一望できる。南禅寺の三門も下に見えた。(写真日記

後で調べてみると、この何有荘、元々は南禅寺の一部だったものを明治時代に成金が買い取って私邸にしたものだそうだ。その後も怪しげな連中の間を転売され続けたらしく、最近でも、ここを舞台に「何有荘1億円詐欺事件」なる騒動が起こっている。いかにも「京都らしい趣」のある話だと感心する。

帰ってきてから、学生時代のサークル仲間とやっているメーリングリストにこの話を投稿したところ、「自分は逮捕された不動産会社の社長の子供と同級生だった」というレスがあって更に仰天。「スモールワールドネットワーク」の理論に基づけばこの程度の「つながり」は驚くほどのことではないのかもしれないが、でも、やっぱり仰天。大柄でエネルギッシュな印象を与える人物で、京都一条山を「モヒカン山」にしてしまったことでも有名な人だったとか…

こうなってくると妙に現実感が出てきて、他人事として面白がっているのも気が引け始める。逮捕された人にも親や子はいるわけで、その人たちにとってみれば笑い事では済まされないだろう。事件そのものも複雑で裏がありそうだし、報道されたことを額面どおり受け取ってはいけないのかもしれない…

ああ、それにしても何と京都らしい…