30年ぶりの山手線大塚駅

ふと思い立って山手線の大塚駅に降り立った。30年前、浪人をしていたときは毎日通った駅だが、予備校を卒業(?)して以来、一度も来ていない。浪人なんて、決して楽しい思い出ではないのだから当たり前なのだが、それにもかかわらず、フラフラと来てしまったのは歳を取ったからだろう。 長い年月が経って記憶が薄れ妙に現実感が無くなってくると、不安になってくる。本当にあんな出来事があったのだろうかと、思わずその場所を確かめたくなるのだ。
駅前に降り立ってみると、まず、「大塚角萬」(結婚式場*1)が消え失せている。昔はこの辺りで一番目立っていたビルなのに。というか、大塚といえば「大塚角萬」だったのに…。(←誰も知らねーよ、そんなこと!)更に驚いたことに自分の通っていた予備校も無い! 昔予備校の建物が建っていたと思しき場所には似ても似つかぬ茶色い大きなビルが建っている。*2 記憶がユラユラと揺らぎ始め、自分のアイデンティティーに自信が持てなくなってくる。この足下が崩れてゆくようなトリップ感覚が堪らない。
唯一見つけた昔の名残は当時通っていた定食屋。場所も微妙に違うし、名前も「キッチンABC」ではなく「ABC食堂」だったような気がするのだが、メニューを見る限りは同じ店のようだ。当時名物だったスタミナ定食(豆腐のステーキ)とか、牡蠣フライ定食とか、オムライスとか… 懐かしさのあまり当時好物だったオムライスを食べてみたが、違う味だった。昔はマッシュルームがたくさん入っていたのに… 当たり前だな。あれから30年経ったのだ。むしろ定食屋自体が残っていたことの方が驚くべきことだ…
…何だかとても遠いところまで「旅」をしてきたような気分になった。(写真日記

*1:こんな凄いのが建っていた

*2:帰ってきてからネットで調べたら池袋に移転していたことが分かった。しかし内紛と大量虐殺的なリストラがあって今では生徒も50人ほどまでに減少。寂しい話だなぁ…