夏の出来事その２ 夏にはバッハ

バッハ:オルガン作品全集

八月に入るなり連日３０度を超す猛暑。この夏ばかりは暑さの基準が３０度を超えるかどうかではなく、３５度を超えるかどうかに変わってしまった。
でも、暑い夏は好きだ。
夏のよく晴れた日にはバッハのオルガン曲が意外と合う。
冷房を効かせた部屋で、ブラインドを上げて陽の光をいっぱいに招き入れた上でオルガン曲を流すと、陽光の眩しさとオルガンの音色の輝きが渾然一体となって恍惚境に誘われる。
もう１５年以上も昔に買ったヴァルヒャのオルガン全集だが当初は演奏があまりにも淡泊すぎるように思えて気に入らなかった。何の思い入れも無く機械的にサラサラと弾いているように思えたのだ。しかしこの夏はそのサラサラとした感触が気持ちよかった。…自分も歳を取ったのだろうか？