海辺の光景
- 茨城県神栖市の風車群
-
茨城県神栖市は利根川と太平洋の狭間に形成された砂州の上に出来た街だ。海岸に立って海を望めば荒々しい海風が真っ正面から吹き付けてくる。これを利用しない手はないということで近年砂浜に風力発電用の風車が林立するようになった。
写真はそんな風車の一つに近づいて行くところ。写真中央部下、やや左寄りに写っている人影に注目。これと比較すると風車の大きさが分かる。
光あるところに影があるということで、強烈な日光が砂浜に作り出す光と影のコントラストに注目。
自分的にはこれがベストショット。
画面右端に一番手前の風車が来て、それが画面中央部にかけてだんだん小さくなりながら連なり、靄の中にうっすらと消えてゆく流れが気に入っている。
画面左に写っている人物の存在もポイント。まず、手前にものがあるために遠近感が強調されている。更に人物が真っ黒なシルエットになっているので結果として陽の光の強烈さも強調されている。
このサイズの写真では分かりにくいのだけれど、波で打ち上げられたゴミが砂浜一面に散らばっているのも、人を寄せ付けない荒廃した感じが強調されていい。一緒にいった友人の話によると数日前に台風が沖合を通り過ぎていったせいであって、普段はこれほどゴミはないそうだ。
欠点は水平が取れていない点。背後の左手に写っている海を見ると分かるのだけど、実はこの写真、やや左に傾いている。雲を基準に水平をとってしまったようだ。
ちゃんと水平が取れているのはこちら。構図としてもこちらの方がすっきりとまとまっているかもしれない。
でも自分的にはこの前の「その3」の方が好き。
- 犬吠埼のサボテン
-
ところ変わって、こちらは利根川を銚子大橋で渡った先の千葉県犬吠埼。
背景にボンヤリ写っているのが犬吠埼の灯台。灯台とサボテンの間に写っている焦げ茶色の屋根は漁師小屋。
サボテンはこの漁師小屋を覆うように密生して生えていた。
- 犬吠埼突端
-
灯台を迂回して更に海側に続く道を進んでいったら目の前に広がった光景。
太平洋の荒波が犬吠埼の岩をどんどん削り取ってゆく現場。何千年か経てば犬吠埼の絶壁は海に呑み込まれて消滅してしまうだろう。
- 貴志祐介『新世界より』
-
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/08/07
- メディア: 新書
- 購入: 5人 クリック: 68回
- この商品を含むブログ (36件) を見る
千年後の神栖市を舞台にした小説があると友人に教えられて、写真を撮りにいった翌日、さっそく読んでみた。
小説そのものは大層面白い。読むのがやめられず思わず徹夜をしてしまった。
だが、残念なことに「作品の主題」は「神栖市」ではない。従ってあの神栖の海辺の光景の「センス・オブ・ワンダー」は出てこなかった。確かに千年後であれば、あの風車の群れも朽ち果て痕跡を留めていないことは確実だろうけれど… - 撮影地点
参考までに神栖の風力発電用風車の撮影地点はこちら。
より大きな地図で 茨城県神栖市須田浜 を表示