三つの時代区分

あくまで私見ではありますが、岡崎京子の作家としての経歴は次の三つに区分できるのではないでしょうか?

第一期:
デビュー前後から「pink」直前まで。プロ作家として見た場合は1983年の「漫画ブリッコ」でのデビューから1988年の「ジオラマボーイ パノラマガール」連載終了までの約5年間。いわば身辺雑記的叙情作家時代。

第二期:
1989年の「pink」から1992年の「東京ガールズブラボー」までの約3年間。この時期、岡崎作品の視界は身辺雑記の身近な世界から、より広い「社会」へと広がって行きました。「バブル」という社会の狂騒状態の中でどのように生きて行くのかというテーマが形を成して行きます。
尚、「くちびるから散弾銃」は、第一期から第二期へと移り変わって行く岡崎の変化がリアルタイムで表れた(作品の変遷を考えて行く上での)重要作品です。

第三期:
1993年の「リバーズ・エッジ」連載開始から1996年の事故による休筆までの約3年間。作品の視界がより広く社会へと広がっているという点では基本的に第二期と変わらないのではという見方もあるかもしれませんが、やはり岡崎は「リバーズ・エッジ」を境に、一皮剥けて、それまでとは「格」が違う「大作家」に変身したような気がしてなりません。社会的な背景も「バブル最盛期」の狂騒状態から「バブル破裂」後の「荒廃と閉塞」へと移り変わり、作品の中に伺える社会への視線も変質し始める。

次回は各時代区分について概観してみます。
(なんて書いて続かないのがいつものパターンだけど、今回は続きます! …だといいんだけど…)