萩尾望都「バルバラ異界」

バルバラ異界 (1) (flowers comics)バルバラ異界 (2) (flowers comics)バルバラ異界 (3) (flowers comics)バルバラ異界 (4) (flowers comics)

久々に「萩尾望都を読んだ!」という充実感。
実のことを言うと「残酷な神が支配する残酷な神が支配する (10) (小学館文庫)はどうにもこうにも我慢が出来なくて途中で投げ出した… 萩尾望都といえども寄る年波には勝てずもはやここまでか?、と一度は覚悟したのだけど…
けれど「バルバラ異界」を読む限りでは「健在」。大したもんだぜ。
様々な伏線が「まさか!」と思うような具合にバタバタと収束してゆく眩暈のするようなエンディングは秀逸。アルフレッド・ベスターの「虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫SF)」をはじめとする古今東西のSFを(好い意味で)パクりまくった秀作「スター・レッド (小学館文庫)スター・レッド (小学館文庫)や、個人的に日本SFマンガ史上唯一無二の最高傑作と信じる「銀の三角 (白泉社文庫)*1を思い出す。
良いんでないかい、これ?*2

*1:特に伏線がバタバタと収束してゆく終盤の眩暈のするような感覚は「銀の三角」。

*2:ひょっとしたら、昔を懐かしむ年寄り向きの作品かも、という気もしないでもない。「新しさ」は全くないからね。でも、いい。好きだ。