有川浩「空の中」

空の中

空の中

良くできた「怪獣映画」だった。楽しませてもらった後でこんなことを言うのもなんだが、べつに「怪獣」を出さなくてもこの人なら面白い話を書けたのではないかという気がしてくる。思えば「塩の街」→「空の中」→「海の底」と作品を追うに従って出てくる「怪獣」が段々地味というか現実的なものへ変わってきたのも作者自身がそのことに気付いているからではないかと思えてくる。最新作「図書館戦争図書館戦争ではついに「怪獣」が出てこなくなったようなので期待したい。そのうち読む。