自転車でヤビツ峠を越える

丹沢山系の丹沢山(標高1567m)と大山(標高1252m)の間にヤビツ峠という標高761mの峠があります。
神奈川県の自転車乗りなら誰でも知っている名所ですが、私もついに超えましたよ、この峠を。それも登坂には向かないと言われる小径折りたたみ自転車ブロンプトンで! 楽しかったけれど、やっぱりバカですね。

鳥瞰図
自転車でヤビツ峠を超える
上の鳥瞰図の赤いラインが今回のコースです。クリックすると大きな図が表示されます。
アルプス・ルートによる経路図

グーグル・マップによる経路詳細図
ここをクリックすると別窓が開いて「グーグル・マップ」ベースの詳細図が表示されます。経路の細部を確認するのに便利です。(というか、モロに自分用)
行程
JR横浜線橋本駅 13:40
横浜より輪行。駅前の標高140m。ここから標高761mのヤビツ峠目指してブロンプトンで出発。高度差621mですが、それを約39キロ(水平距離)かけて登るわけですから、実は全然たいしたことがありません。斜度はわずか1.5%。
津久井湖 14:17 橋本駅より約6.6キロ
津久井湖
相模川の上流。ダムで川をせき止めた人造湖です。この後ダムの上の道路を渡りました。標高130m。むしろ出発点より下がっている。まだまだこれから。
宮ヶ瀬湖 15:37 橋本駅より約20キロ
宮ヶ瀬湖
こちらは相模川の支流である中津川をせき止めて作った人造湖。直線距離にすれば津久井湖から南へ4キロぐらいしか離れていないのですが、何しろ山道です。尾根を3つ越えてようやくたどり着きました。湖畔は完全に観光地化しています。標高約300m。まだ461mも登らなくてはならない…
ヤビツ峠 17:33 橋本駅より約39キロ
ヤビツ峠
宮ヶ瀬湖からいよいよ丹沢山と大山に挟まれた谷間の道に入ります。宮ヶ瀬湖までは割と平坦で人家も多かったのですが、その先は人家も途絶え、両脇に急斜面が迫る寂しい道になります。いかにも山奥に来たという雰囲気でとっても感じが好いけれど、一方で日も翳ってくるしちょっと心細い。計算では日没前に峠に辿り着いて夕日に染まる神奈川県の平野を一望できるはずだけど、本当に大丈夫なんだろうか…
などと思っているうちに、割とあっさり辿り着いてしまいました。標高761m。高度差461m、水平距離約19キロを約2時間で走ったことになります。見回すと山の斜面を夕陽でピンク色に染まった雲とも靄ともつかぬものが這い上がっていったりして、うん、やったじゃないか、という気分。
浅間山無線中継所 17:42 橋本駅より約39.5キロ
浅間山無線中継所
峠よりちょっと進んで南側の斜面を降り始めたところで見た風景。標高730m。大山の中腹にある浅間山電波中継所(標高610m)が目の高さより下に見えたので満足。その向こうには本来なら湘南の海岸や三浦半島が見えているはずなのだけれど、夕靄で霞んで全然…
しかし、谷間の長い上り坂を延々と登ってきたあと、こんなふうにパッと目の前が開けると、それだけも気分が爽快。「名所」と言われるだけあってさすがだよな、絶対また来よう、と心に固く誓う。今度はもっと視界の良さそうな日を選んで…
菜の花台より秦野盆地を望む 17:53 橋本駅より約42キロ
菜の花台より秦野盆地を望む
南斜面の途中にある展望台です。標高550mぐらいのところまで下ってきました。眼下に広がる秦野盆地の駅前の標高が90mくらいですから、高度度約450メートル。ここでもまだランドマークタワーや東京タワーより100m以上高いですね。
菜の花台より日没を望む 17:53 橋本駅より約42キロ
菜の花台の日没
目を西に転じるとちょうど太陽が山の端に隠れようとしていた。
小田急線秦野駅 18:27 橋本駅より約52キロ
眼下の秦野駅まで一気に下って、あとは横浜まで輪行。 駅前の標高は90m。高度差671m。途中、速度計の数字は時速51キロを表示。軽く時速60キロぐらいは出そうだったけれどさすがにブレーキをかけました。ヘルメットを被っていない*1から、本当はそんな速度を出すこと自体が間違いなんだけれど。いつか死ぬかも。
駅前で振り返ってみるともう暗くなった空に更に黒々とした山のシルエットがそびえ立っていました。あそこを越えてきたんだ、と思うと「やったな!」という充実感が込み上げてきましたが、しかし、何を「やった」んでしょうね、私は?
(20080416追記)
写真日記

*1:ヘルメットは嫌い。自転車は全身で風を感じられるから素晴らしいのに、あんなもん被ったら台無しになってしまいます。そうです、命懸けで走ってます。バカです。