古橋秀之「ブラックロッド」
- 作者: 古橋秀之,雨宮慶太
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 1997/04
- メディア: 文庫
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古橋秀之を初めて読む。予備知識としては知っていたが、黒丸尚版「ニューロマンサー」ばりに「ルビ」が大活躍する文体にただもう呆れ果てる。日本語における「ルビ」という存在が持つ「表現の可能性」の大きさを改めて認識。漢字にカタカナやアルファベットのルビを振るだけでイメージが溢れかえり爆発する。日本人である以上は誰だってその効果は知っていたはずだし、事実、文章中にその効果を意図的に利用することも普通に行われていたことは確かだ。しかし、詩やエッセイの類ではなく、「物語」に積極的に利用することを思いついた黒丸尚の功績は大きい。というよりも黒丸尚は「翻訳の技法」として積極的に利用したのであって、それを「物語の技法」として意図的に利用し始めたのはこの古橋秀之を始めとする「後継者」たちだったと考えた方がいいのかもしれないけれど…
それにしても、古橋秀之、秋山瑞人、金原ひとみを輩出した法政大学の金原瑞人創作文芸ゼミって凄いですね。文芸創作講座みたいなものは世の中に腐るほどあるけれど、実際にこんな成果を上げたのは、日本ではここだけなんじゃないかしら? 偶然? それとも金原瑞人先生って物凄い名コーチ?
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