ファウスト vol.6 感想その5

ファウスト vol.6 SIDE―B (講談社 Mook)

ファウスト vol.6 SIDE―B (講談社 Mook)

舞城王太郎「めくるめく」
バイトで小学生の女の子のもとに「魔女っ子」として派遣される男子高校生の話。
しかし

全ては偽物である、ということが前提となっている人生に物語は必要ない。物語は作り話で、嘘なのだ。嘘の中で嘘をついても嘘にならない。ふと気がついてみれば、いつの間にか世界では魔法は無効化されてるのだ。

…最初から素直に舞城を読んでいれば良かったと思った。今まで読んだことのある舞城作品の中でもかなり好感度が高い方。
その乱暴で破天荒なスタイルにもかかわらず、舞城王太郎は真っ当すぎるくらい真っ当な作家だ。上遠野浩平西尾維新がどこか「壊れている」のとは明らかに違う。その意味で彼はちっとも新しくはない。もちろん、舞城はそれでいいんだけれど。