東証が全銘柄の売買停止 ライブドア強制捜査劇場の余波

別にホリエモンを弁護する気はないし、はっきり言って好きではない。しかし今回の強制捜査は「仕組まれた」ものだ。「そう囁くのよ、私のゴーストが。」(©草薙素子)て言うか、丸わかりだよね。恥ずかしいからパンツぐらいは履いてくれ!ってくらい露骨。
テレビのニュースに引っ張り出された慶応のビジネススクールの先生も「風説の流布と言うけれどあの程度のことで地検特捜部が動くなんてことは普通はない」と戸惑い気味。
日本というのは不思議な国で、ある種の「成文法」は在って無きがごとし。誰も守ろうとしないのに、ある日突然、特定の人だけに厳しく適用されて告発される。周りの人間も、それまで自分たちも同じことをやっていたクセに、「いやぁ、信じられませんね、あの人が…」などと猿芝居を始める。そんな光景が何度も繰り返されてきたよね。最近の一例を挙げれば議員秘書給与の横流しかな。
硬い言葉で言えば、法が恣意的に運用されているのね。形だけで、本当は全然「法治国家」なんかじゃない。「全然」というのは言い過ぎだとしても、「法治」のレベルがあまりにも緩すぎ。
こんなの「近代社会」じゃないよ。「法」ではなく「空気」に支配される原始的な村社会だよ。「原始共同体」? 何か、学術的用語の使い方としては正しくないような気がするが、そんな感じ。*1村の誰かが、何かの弾みで「村の慣わし」から外れた道筋で「金持ち」になったりすると大変だ。不均衡を是正し、旧来の秩序を取り戻そうとする「暗黙の力」が発動され生け贄の祭が始まったりする。
結局、日本の社会って、そんな類のストーリーで動いてゆくものであって、近代的な政治制度や法律制度はホンの上っ面の形だけなんじゃないの…*2
そして、それを利用しようとする奴もいる。
でもさ、自分たちが世の中を裏からコントロールしてるなんて思い上がらない方がいいぞ。
ほら見ろ、これ…

東京証券取引所は18日、ライブドア強制捜査を発端に株式市場での売り注文が殺到し、株式の約定(取引成立)件数が異常に増加したことから、同日2時40分に東証1部、2部、マザーズ市場の全銘柄の取引を強制的に停止する。これ以上約定件数が膨らむと東証のシステムに負荷がかかり、株式の精算業務に支障が出る恐れがあることから、事前の停止措置をとった。
 東証西室泰三社長兼会長は会見で「ライブドア強制捜査開始が原因でろうばい売りが膨らみ、異常な取引になっているのは明らかだ」と述べた。

ホリエモンは、おそらく、「もうお終い」だが、ついでに日本経済まで「もうお終い」になったらどうするんだろう? これがきっかけとなって、ようやくほのかな明かりが見えてきた日本経済が再び不況のどん底に落ちてゆく(たとえば元祖しゃちょう日記)なんてこともあり得るんだぞ…
何か、今度の「ライブドア強制捜査劇場」はとっても不愉快… バカにされてるような気がする…

*1:副島隆彦に言わせれば「土人」の社会だよね。副島隆彦は言ってることの大部分は正気の沙汰とは思えないけど、でも、日本の社会が結局は「脱亜入欧」を果たせなかった「土人」の社会だという基本認識は正しいと思う。

*2:つまり一皮剥けば未開の「土人」ということね。