スペオペにはクラシックがよく似合う(涼宮ハルヒの憂鬱)
涼宮ハルヒの憂鬱 朝比奈ミクルの冒険 Episode00 限定版 [DVD]
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2006/06/23
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「涼宮ハルヒの憂鬱」(第11話「射手座の日」)を見ていたら、冒頭、宇宙艦隊の戦闘シーンのバックにラヴェルのバレエ音楽が流れていた。「ダフニスとクロエ」の第二組曲の出だしの部分、段々と夜が明けて小鳥たちがさえずり始めるシーンの音楽だ。
ちなみに「ダフニスとクロエ」というのは2〜3世紀のエーゲ海を舞台に繰り広げられる羊飼いの少年と少女の恋物語で、宇宙艦隊の戦闘とはおおよそ縁がない話であることは言うまでもない。(→ウィキペディア)でも、合ってる。
更に番組の終りの方になると再度宇宙艦隊の戦闘シーンが始まり、今度はチャイコフスキーの「交響曲第四番」の第四楽章。チャイコフスキーが自分の精神的危機と内面の葛藤をドラマ仕立てで描いた曲。これまた宇宙艦隊の戦闘とは無関係そうなのに、あまりにもピッタリはまっているので唖然。
スペース・オペラにはクラシック音楽が良く合うというのが「定説」だが、そのセオリーに忠実にやっているので何となく嬉しくなってしまった。
尚、どちらの曲も個人的にはクラウディオ・アバドの若い頃の演奏が好きなんだけれど、アマゾンで検索しても引っ掛からない。廃盤になったのかな? 残念…
でも、次善の策として推薦盤を挙げておく。
「美」というものが「抽象概念」であることが理解できず、ただひたすら「官能的快楽=美」であると信じて「変態」道を歩み続けた「物質主義者」カラヤンであるが、虚仮の一念岩をも通すというか、ここまでやったらあんたは偉い! どぎつく、けばけばしい、アバドの反対側にあるこの演奏を敢えて推薦する!
- アーティスト: ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団カラヤン(ヘルベルト・フォン),チャイコフスキー,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2006/02/22
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これもアバドの対極にあるクールなラベルだけど、やっぱりこんな演奏も好きだ!(ニューヨークフィルを振った旧録音の方が良いという話もあるが、入手しにくいみたいなので次善の策としてこの新録音の方を推薦)
- アーティスト: ブーレーズ(ピエール),ベルリン放送合唱団,ラヴェル,ミューラー=ローレンツ(ゲルト),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2002/09/25
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≪追記≫
その後、他所様のブログ(「涼宮ハルヒの憂鬱(射手座の日)そのBGM」@いいたい砲台)で指摘されているのを読んで、確かめてみたら、ショスタコーヴィチの交響曲第7番第一楽章の「戦争の主題」も使われていました。
はっきり言って、このBGMの演出をした人は渋い。素晴らしい。褒め称えたい。
しかも、ウィキペディアの同曲の解説にも既にこのことが記述されている。…やっぱりネットはすごい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC7%E7%95%AA_%28%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81%29
(2006.06.18)