岡崎京子「秋の日は釣瓶落とし」&「セカンドバージン新装版」

両方とも今日になってようやくアマゾンから届きました。

秋の日は釣瓶落とし (アクションコミックス)

秋の日は釣瓶落とし (アクションコミックス)

単身赴任先で休日出勤中に机に突っ伏したまま過労死したオヤジの葬式の最中に消息不明だった弟が帰ってきた、立派なオカマになって…という快調な滑り出しをみせる表題作はなかなかそこそこの出来。*1週刊漫画アクションの1992年10月27日号から11月10日号まで連載された70ページ足らずの中編。
ハンバーガー」と題された同時収録作品は春・夏・秋の三つの身辺雑記的叙情フラグメンツ。週刊漫画アクション増刊号 COMIC SHOP HAMBURGER の6月14日号・8月20日号・10月10日号にそれぞれ掲載されたと書いてあるのだけど何年か書いてありません! 作風からすると表題作よりかなり前、1980年代後半、それも「pink」を発表する前の作品じゃないかと思うんだけど、どうなんでしょう?(「セカンドバージン」の前?)

【追記】id:sitebbiw さんは、週刊漫画アクションの増刊号の発売日が火曜日であると仮定して日付から掲載年を1988年ではないかと推定しています。ちょうど「平凡パンチ」に「ジオラマボーイ パノラマガール」を連載していた時期(1988.3.10〜11.10)ですね。絵柄から考えてその線は濃厚だと自分も思います。id:sitebbiw さん、冴えてる!(2006.11.19追記)

全部合わせて80ページにも満たない薄っぺらなこの本に1000円の値段を付けるなんて普通だったら断じて許せないが、しかし、岡崎京子なら許す。やむを得まい。でも、熱心なファンしか買わないよね、これだったら。すぐに絶版になっちゃうよね、これじゃ。
というわけで早めに手に入れておくことをお薦めします。



セカンドバージン (アクションコミックス)

セカンドバージン (アクションコミックス)

要するに「新装版」ですが未発表作品のおまけ付き。いきなり「島野さんゴメン」で始まるこの「おまけ」は「セカンドバージン」連載中の駆け出し漫画家京子サンが落としそうになって苦し紛れに担当の編集者に差し出した「作品」だそうです。
内容は追いつめられたマンガ家岡崎が締め切りなんかパンツのゴムのように伸びるとうそぶいて布団を敷いてさっさと寝てしまうというヤツ。
「こんなもの描いてる時間があるならなぜ描かんのかー」と担当の島野さんは怒鳴りつけたとのことですが、全く島野さんが正しいとしか申し上げようがございません、はい。

尚、「セカンドバージン」そのものの内容紹介はこちらにあります→こちら(2006.12.01追記)

*1:新刊が出たという喜びでついつい過大なことを書いてしまったとので反省の上訂正。orz(2006.11.21追記)