岡崎京子の永遠(デビュー25周年記念読本)

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イケダさんのブログ等で既にお聞き及びと思いますが、祥伝社のレディース・コミック雑誌フィールヤング」の2008年8月号(7月7日発売)に「岡崎京子デビュー25周年記念読本」という別冊付録が付いています。
内容は旧作の『毎日がクリスマスだったら…』の再録と各界関係者からのメッセージ。
『毎日がクリスマスだったら…』は初出が1988年「微笑feel」1月16日増刊号で、その後「フィールヤング」2004年7月号にも『ヘルタースケルター』手塚文化賞受賞記念として再録されているので、正確に言うと今回は再々録ということになります。
メッセージを寄せた関係者とその推薦作品は下記の通り。

寄稿者推薦作品
よしもとばなな愛の生活』『東京ガールズブラボー
やまだないと愛の生活』『ハッピィ・ハウス
魚喃キリコpink
山本直樹私は貴兄のオモチャなの
古屋兎丸リバーズ・エッジ
手塚眞退屈が大好き
辻村深月リバーズ・エッジ』『水の中の小さな太陽』『ヘルタースケルター
香山リカリバーズ・エッジ
冬野さほハッピィ・ハウス』『ヘルタースケルター
浅田彰東京ガールズブラボー
マット・ソーンヘルタースケルター』『リバーズ・エッジ』『危険な二人』『pink』『ROCK
桜沢エリカハワイ・アラスカ


浅田彰が「山田双葉*1山田詠美になったけれど、岡崎京子は永遠に岡崎京子」のままだと書いているのを読んで何だかひどく悲しいというか、堪らない気分になりました。
…いえ、決して浅田彰を非難しているわけではありません。だって、彼の言っていることは事実だから…というよりも、彼自身も堪らない気持ちでそう書いているのだと思います。ああ、堪らないや…

岡崎家代表として本人の弟さんも「謝辞」と題する文章を寄稿。「新しい作品を手がけることは困難かもしれませんが」「今でも岡崎京子は元気に家族と暮らしています」とのこと。家族に囲まれて一人の人間として幸せに暮らしている岡崎京子の姿が目に浮かんで、少しホッとしました。

そして何よりも、多くの作家が次々と忘れ去られて行く中で、彼女の25周年がこんな形で祝われるということこそが、岡崎京子の「作家としての勝利」の証しなのかもしれないと思うのですが…

*1:山田詠美は若い頃、山田双葉の名前で、確かけいせい出版から『シュガーバー』というマンガの作品集を出している。