『true tears』は今年度最大の収穫?


true tears vol.1 [DVD]

true tears vol.1 [DVD]

「もっと優しい絵が描きたい」などとふやけたことをほざいて冒頭いきなり視聴者を即死させたダメダメ主人公(ある意味最強)が四人の女*1に翻弄されまくる『true tears』は、ひょっとしたら今期最高のテレビアニメではないかという気がしてきたのでご報告。
電波女、嫁・姑の争いとゾクゾクするような嫁いびり*2ロリコンで近親相姦のイケメンお兄様、定番切り札兄妹疑惑等々、次々と繰り出される華麗な昼メロ的決め技の数々。昼メロでは使い古された手であってもアニメにすると妙に新鮮だったりして…
しかし、この作品の魅力はそれだけじゃないですね。
絵です。やっぱり絵。
繊細で静けさをたたえた絵。特に日本家屋の描写の美しさには心打たれました。
こんなのを見るとイヤになってきます。私は日本的な「湿度」というのが大嫌いなはずなんだけれど、それも捨てたモンじゃないかな、という気になってくるから… いったんそんなものに心を許したら、ジメジメした世界へと際限もなく引きずり込まれてゆきそうで怖いっすね…
話が逸れました。絵の話です。その美しい絵が見事なシークエンスを描く…って書いても「何のこっちゃ?」と突っ込まれそうですが、この点に関しては以下にご紹介する他の方の手になる「解説」をご参照ください。私はとてもじゃないですがこんな見事な「解説」はできません。


▼まず「前菜」としてこちら
http://d.hatena.ne.jp/tukinoha/20080114/p1
オープニングの解説。


▼メインディッシュとしてこちら
http://keiesworks.blog122.fc2.com/blog-entry-154.html
第5話の部分的解説。いくら何でもここまで読み込むのは読み過ぎではないかと批判する人もいるかもしれませんが、そこまで深読みしようという気にさせるのも作品の力であるに違いありません。


以上二つのリンク先を読んでいただければ、大体どんなアニメであるのか、未見の方にも分かってもらえるのではないかと思います。
今のところまだ第6話。このまま順調に展開していってくれれば近年の「傑作」になるのではないかと期待しているのですが、さて、どうでしょう?


《追記》
見逃していたという方たちのために下記のサイトを紹介しておきます。(例によっていつまでつながるか分からないけれど)
第1話 http://www.veoh.com/videos/v2606324bwq2DZw4
第2話 http://www.veoh.com/videos/v2901875gNRQpaRb
第3話 http://www.veoh.com/videos/v3285051wJfz98rc
第4話 http://www.veoh.com/videos/v3324992ncaHXaGy
第5話 http://www.veoh.com/videos/v3703307dHc9TYYs
第6話 http://www.veoh.com/videos/v40956993gyBBmac
《蛇足》
上記は海外サイトみたいだけど、多分パーフェクトに著作権法違反ですね。でも、スゴイじゃないですか、これ。最新作までちゃんと英語字幕が入っているし。
作品にぶら下がって金銭的利益を確保しようとする人たちにとっては噴飯もののサイトかもしれないのだけれど、こんなふうにして瞬く間に日本発のアニメ文化が世界に広まってゆくのを目の当たりにすると、実際にこのアニメを自分たちの手で作った人たち自身にとってはある意味夢のようにすばらしいことであるという側面もあるのではないかと思いますね。だって、少しでも多くの人に見てもらって感動してもらうことこそが作り手にとっての最も根源的な願望でしょう? もちろん金銭的な基盤がなければアニメそのものが作れないのだけど…。そこのところの矛盾をうまく解決できる仕組みって無いのかなぁ…

*1:3人の間違いではないのかといわれるかもしれませんが、母親を入れると4人です。

*2:主人公たちはまだ高校生で「結婚」しているわけではありませんが、この女同士の関係は実質そんなもんですよね。