伝説のカルト・ライトノベル滝川羊「風の白猿神」
「ライトノベル☆めった斬り!」を手引きにして「過去のライトノベル」(つまり非ファウスト系ライトノベル)の中からめぼしい作品を発掘中。こうして使ってみると役に立つ本であることが分かる。ここに表明されている「史観」には同意できないけれど、それでもやっぱりこの本はこの本なりに誠実に作り上げられた「良書」だと思う。
で、今回読んだのが、これ。
風の白猿神(ハヌマーン)―神々の砂漠 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 滝川羊,いのまたむつみ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 1995/01
- メディア: 文庫
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大災害後の荒廃した地球を舞台にしたモビルスーツものというか、巨大ロボットものというか…。
「ライトノベル☆めった斬り!」によれば本書は下記の理由でもはや「生ける伝説」とかしているとのこと。
- めったに大賞が出ないファンタジア長編小説大賞で大賞を受賞していること。
- 大賞を受賞しているにもかかわらす「未完」であること、というか「未完」なのに大賞を受賞したこと。
- 受賞から十年も経ったのに続刊が出ていないこと。
- それどころか作者はその後一作も書いていないこと。
- にもかかわらず絶版にはならず今でも新刊が入手できること。
更にネットを検索したところ、
- 第二巻の原稿は既に出来ているがお蔵入りになっているらしい。(ソース)
- 受賞当時は国語の非常勤講師で古文を教えていたらしい。(ソース)
- 十年経った今でも数多くのファンが続編の出版を心待ちにしている。例:2ch「なぜ「神々の砂漠」はいままで続きが出なかったのか?」
…等々の事情が次々と判明した。
…で、肝心の感想だけど、面白かった…
でも、これはSFアニメ以上のものでも無ければ、以下のものでもない。出自がSFオタクである自分のレセプターを直撃する要素に満ちていて、否応なく楽しんでしまうのだが、でも、やっぱり、ただそれだけの作品なんだよな…
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