横浜桜木町高架下グラフィティ回廊の終焉

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横浜市は8月1日より、旧東横線の横浜〜桜木町駅間跡地の遊歩道、駐輪場整備のため補強工事を始めた。工事に伴い来年の3月までに高架下の壁画が全て撤去される。

こんなふうにまた一つ時代が終わって行くのね。何か寂しいよなぁ…
昔、一度だけ、グラフィティを描いている現場に出くわしたことがある。ストリート系というかチーマー系というか暴走族系というか、そんなバカっぽくてバイオレンスの臭いがする連中が描いているんだろうと何となく思い込んでいたのだけれど、実際はもっとアートな感じの若者だった。チビでスキンヘッドのロイド眼鏡小僧。それも不似合いなほど見た目のいい彼女(?)を引き連れている。ボーイッシュなショートカットで目つきが鋭くてカッコイイ。ガードレールに寄りかかって、彼がスプレー缶で壁画を仕上げて行くのを退屈そうに眺めている。男の方の如何にも気負ってテンパッてる雰囲気と、彼女のしらけてバカにしたような目つきが好対照。
何か、この情景自体が一つの絵だよな、と感心した。
横浜は見かけは綺麗だが中身がない張りぼてのような街だと思うけど、この高架下のグラフィティだけは何だか本物ぽかった…
バカだよな、こんなカッコイイものを捨ててしまうなんて。
ま、変な保存運動なんかが起こるよりはずっとマシだけどな。
考えてみれば、こんなものはこんなふうに消えてゆくのが本物らしいのかもしれない…


写真は昔撮った桜木町付近高架下。自分的には今まで撮った写真の中のベストに近い会心作、のつもり。