コミック

Q3.岡崎京子って女の子のエッチマンガ家なんですか?

A.否。 デビューがロリコン系エロ漫画雑誌「漫画ブリッコ」で、それからもしばらくはその手の雑誌に描いていたこと、当時はその手の分野では女性が珍しかったことなどから、そのような称号を授かったこともあったようです。本人も、半分いやがりながらも、…

Q2.岡崎京子ってオシャレマンガ家なんですか?

A.否。 一時期女性向けファッション誌で活躍するようになったこと、本人自身が「消費」と言うことに積極的な態度を見せていたことなどから、かつてはそう捉える人たちが一部にいたことは確かですが、「作家岡崎京子」にとって、それはむしろ「不幸なこと」…

Q1.岡崎京子って少女マンガ家なんですか?

A.否。 岡崎作品は「マーケット・セグメント」上の「少女マンガ」の範疇には属していません。 年齢性別を超えて、広い層に訴える何ものかを持った作家です。 論より証拠、かつて(2001年)実施した読者層調査をご覧下さい。 読者層は十代後半から三十…

岡崎を勝手に語るための非常に主観的な仮想Q&A

昨日の「岡崎京子とは誰か?」(初心者のための岡崎京子入門)、これから岡崎京子作品に接する人たちに最初から変な偏向を植え付けてはイカンだろうと遠慮して、出来るだけ客観的記述を試みたのですが、やはり自分らしくないことを無理にやるとストレスが溜…

「岡崎京子入門」

非公認ファンサイト「岡崎京子 或いは、愛と資本主義」に新コーナー「岡崎京子とは誰か?」を新規追加。ページの新設は久々。内容は初めて岡崎京子を知った人のための紹介文。 一年半ほど前にほとんど書き終えていたもの。何か他の用があって中断したのだと…

山岸凉子「日出処の天子」

日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)作者: 山岸凉子出版社/メーカー: 白泉社発売日: 1994/03メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 293回この商品を含むブログ (166件) を見る 関西旅行から帰ってきた日の晩からひどい咳が出始め、翌日は、貴重な晴天のゴールデ…

西島大介「アトモスフィア」

アトモスフィア〈1〉 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者: 西島大介出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/03/01メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 202回この商品を含むブログ (141件) を見る アトモスフィア (2) (ハヤカワSFシリーズJコレクショ…

久米田康治「さよなら絶望先生」

さよなら絶望先生(3) (講談社コミックス)作者: 久米田康治出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/03/17メディア: コミック購入: 4人 クリック: 21回この商品を含むブログ (350件) を見る やっぱり「かってに改蔵」より面白いと思う。ひょっとしたら自分の最近…

諸星大二郎「トゥルーデおばさん」

トゥルーデおばさん作者: 諸星大二郎出版社/メーカー: 朝日ソノラマ発売日: 2006/02/23メディア: コミック購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (70件) を見る 諸星大二郎の手によるグリム童話の書き換え。「笑い」と「恐怖」が隣り合っていることを…

西島大介「アトモスフィア」(早川書房3月下旬予定)

2月17日 ペン入れ、トーン貼り。塩澤さんいわく「西島くんお話作れるようになりましたね」だそうです。 これは期待してもいいかも…→(コミック系コンテンツ一覧)

昨日の日記を完成

昨夜は眠気に耐えきれず中断したが、二日がかりで書くものではない。一晩寝て醒めた目で眺める昨日の自分の文章は醜悪そのもの。「絶望した」*1…しかたがないから我慢して最後まで書いたけれど…→(コミック系コンテンツ一覧) *1:今日はとをまとめて読んだ。…

西島大介 新年の抱負

こんなところにもまた…*1 1月1日 2006年の抱負は、もう少しふつうな漫画家になることです。 自分が何になりたいのか決めるのは自分だし、そのことに対して人があれこれ口を出すべきではないことは十分承知しているし、自分だって人からあれこれ言われれば逆…

西島大介「凹村戦争」と「リバーズ・エッジ」

凹村戦争(おうそんせんそう) (Jコレクション)作者: 西島大介出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2004/03/24メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 41回この商品を含むブログ (190件) を見る 近著「土曜日の実験室―詩と批評とあと何か (Infas books)」に収めら…

西島大介に思う(「土曜日の実験室−詩と批評とあと何か」)

土曜日の実験室―詩と批評とあと何か (Infas books)作者: 西島大介出版社/メーカー: INFASパブリケーションズ発売日: 2005/11メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 34回この商品を含むブログ (75件) を見る 大晦日、西島大介を読んで過ごす。 期待していた通…

「拡散」第二巻を求めて彷徨い中野の歩道橋から新宿を望む

はるばると中野の「まんだらけ」まで足を伸ばしたが小田ひで次「拡散」の第二巻はやっぱり無い。 帰りは中野から新宿まで迷路のような路地を歩き回った。途中、山手通りに架かる歩道橋を渡ったら、新宿の高層ビルの群れが夕陽で煉瓦色に染められているのが見…

「ヨコハマ買い出し紀行」第13巻

ヨコハマ買い出し紀行 13 (アフタヌーンKC)作者: 芦奈野ひとし出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/07/22メディア: コミック購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (110件) を見る 7月に出ていたはずの本を今頃になって読む。(買い逃してそのまま…

「野ブタ。をプロデュース」は「リバーズ・エッジ」の本歌取?

先頃放送を終えたテレビ・ドラマ「野ブタ。をプロデュース」の第7回から第9回までを続けて見直し、これはやっぱり岡崎京子の「リバーズ・エッジ」に対する「本歌取」というか「返歌」というか「アンチ・テーゼ」というか「オマージュ」というか「引用」と…

小田ひで次「拡散」

拡散 1 (アフタヌーンKCデラックス)作者: 小田ひで次出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/11メディア: コミック クリック: 14回この商品を含むブログ (15件) を見る 小田ひで次の「拡散」を探して横浜くんだりからわざわざ渋谷のまんだらけまで足を伸ばした…

「ヨコハマ買い出し紀行」雑感 −或いは母胎回帰の風景画−

むかし書いたHPのコンテンツの再掲載。コンテンツをHPからブログへ全面的に移行すべきか、試行錯誤中です。 前書き 或るホームページを読んだことがきっかけで、自分にとっては全く未知の作家の作品を読んでみる気になりました。 絵は、特に人物が、余り…

諸星大二郎の小説

キョウコのキョウは恐怖の恐作者: 諸星大二郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/11/30メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (33件) を見る 諸星大二郎といえば、本屋で実物を目にするまでこんな本が出ていることを知りませんでし…

岩明均「骨の音」

新装版 骨の音 (KCデラックス)作者: 岩明均出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/03/18メディア: コミック購入: 2人 クリック: 31回この商品を含むブログ (20件) を見る 岩明均と言えば「寄生獣」ですが、私は正直言って好きになれなかった。確かに否応なし…

萩尾望都「バルバラ異界」

久々に「萩尾望都を読んだ!」という充実感。 実のことを言うと「残酷な神が支配する」はどうにもこうにも我慢が出来なくて途中で投げ出した… 萩尾望都といえども寄る年波には勝てずもはやここまでか?、と一度は覚悟したのだけど… けれど「バルバラ異界」を…

「野ブタ。をプロデュース」徹底解析ブログ

第二次惑星開発委員会*1が「野ブタ。をプロデュース」の徹底解析ブログ「週刊 野ブタ。」を始動。 http://nobuta2nd.exblog.jp/そうなんだよ。 「川の流れる東京の下町にある荒廃した高校」という舞台設定が岡崎京子の「リバーズエッジ」に妙に似ているなと…

岡崎京子の魅力

女のケモノ道作者: 岡崎京子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/04/23メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 77回この商品を含むブログ (79件) を見る 彼女の真骨頂はむしろシリアスさと“笑い”の混ざり合った表現にあると思う。 …同感。更に言えば「pink…

岡田史子死す

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/fu/news/20050409k0000m060120000c.html http://www.asahi.com/obituaries/update/0409/003.html?t5 一般的にはマンガが通俗的な商品でしかなかった時代にマンガで「詩」を描いてみせて回りをびっくりさせた人です。萩…

鈴木いづみ・岡崎京子・後期資本主義

鈴木いづみセカンド・コレクション〈1〉 短編小説集 ペリカンホテル作者: 鈴木いづみ出版社/メーカー: 文遊社発売日: 2004/06/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (8件) を見る「鈴木いづみセカンド・コレクション」の第一巻 i…

「WEEK END」に関する発見

彼との待ち合わせの場所に向かって歩いてゆく最中の「彼女」の「意識の流れ」を描いた作品だったんですね。自分はてっきり、「彼女」は既に待ち合わせの場所に着いていて、そこで彼を待ちながらいろいろなことを考えている場面なんだと思い込んでいたんです…

「CURRY RICE」に関する発見

p.87(河出書房新社版旧版)とp.92(同)の絵がまったく同じでセリフだけ変えてあるなんて、ダイス毛さんに指摘されるまで気がつきませんでした。昔「スタジオボイス」に載ったインタビュー(←イケダさん id:sitebbiw の岡崎サイト)で「このページなんてコ…

第一期作品群の特色

第二期に属する「pink」や第三期に属する「リバーズ・エッジ」「ヘルタースケルター」「うたかたの日々」等の世評の高い長編作品から入った読者がいきなりこうした初期作品を読んだら、戸惑いを覚え、おそらく、落胆することでしょう。期待したものとは…

特色あるデビューの道

かつて女性のマンガ家というものは、ほぼ例外なく「少女マンガ家」であり、中学か高校時代ぐらいから投稿を始め、高校卒業とともに上京してデビュー、特定出版社のお抱え作家としてキャリアを積み重ねて行くというパターンが典型的だったと思いますが、岡崎…